海老
あるところに一人の学者がいた。
彼は豊富な知識を持ち、それでも尚且つ新たな知識を得ようとした。
自分の脳を知識で一杯にしようと考えていた。
しかし彼は愕然とした。
人間は脳の3分の1しか使うことはない、という事実。
それは自分にも例外ではない。
彼は苦悩した。
脳を3分の1しか使えないなどということがあっていいものか。
なんと勿体無いことか。
そこで彼は思い立つ。
他の人間の2倍も3倍も生きればいいのではないか。
ずっと生きつづけて。
これまでの2倍3倍の知識を叩き込めば。
彼は不老不死の研究をはじめる。
そしてそれは彼を禁呪「ネクロマンシー」へと向かわせた。
ネクロマンシー。
不老不死を得る唯一の方法。
老いも死にもしない体を得ることができる。
しかしそれは同時に人間を辞めることに他ならない。
醜い化け物の姿となった彼は人知れず廃坑に篭り
今でも一人知識を貪っているという。
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