早食い事故から学ぶこと


2002年1月15日に男子中学生が食べ物を喉に詰まらせ意識不明になり、そのまま24日に亡くなるという事故が起こったのは
まだ記憶に新しいかと思います。

この件でいくら討論したとしても「一人の人間が死んでしまった」という事実はかわりません。
ですがこのような悲しい事故を繰り返さないためにも、私たちはここから何かしら教訓を得なければならないと思います。
さて、この事故から私たちが得るべきものは何でしょう。

大食い番組の与える影響は大きすぎた、ということでしょうか。
一般的には大食い番組の真似をした、という部分に大きく焦点が向けられている。
しかしそれは、裏を返せば「大食い番組の影響を受けすぎた」ということにはならないでしょうか。

CMを見てその商品を買うか否かも自由ですし、音楽番組を見てその歌手を気に入るか否かも当然自由です。
それと同じように大食い番組を見てそれを真似しようと思うか否かは個人の自由なのです。
パンを一個丸飲みすればどれだけ危険であるか想像に難くありません。
どれだけ危険であるかということをしっかり判断できるなら真似はしません。

大食い番組の出場者は普段から大食いや早食いを経験しており、
皆それぞれにどこまでやったら危険であるかを把握しているのです。
何の経験もない人間がそれを真似、限界を超えてしまったらどうなるか、想像すると恐ろしい限りです。

テレビ番組を見るも見ないも私たちの自由ですし、楽しむのも反感を持つも自由でしょう。
少なからず「誰々の影響を受けて」という部分があるのは当然だと思います。
ですがその影響を過剰に受けすぎるのは問題だといえるでしょう。

本や新聞、テレビにラジオ、果ては携帯電話にインターネット。
情報メディアの多様化はこれからも進んでいくことでしょう。
これからは見たもの全てに影響されず、情報を取捨選択する能力を持つこと、
また、その能力を育てることが重要となっていく、そんなことをこの事故は
私たちに教えてくれたのではないでしょうか。


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